森の中にいると、時間を忘れてしまう。そもそも時間ってなんだろう。
時間も、色も、数字も、言語も、人間の価値観に過ぎない。
この地球には人間の目には見えない、もっともっと大きな力が動いているのだと思う。
森を歩いていると、「ギーギーー」と低音のとても苦しそうな声が聞こえてきた。
鳥だろうか?怪我してるのだろうか?
音する方へ近づいていくと、今にも倒れそうな木が、風の力で左右に揺れていた。
この子は、あと少しで成長を終える。
成長を終えた木々は、長い長い時間をかけて土へと還ってゆく。
自らが養分となり、新しい生命のために、これから続いてゆく世代のために、成長を止め生きてゆくんだ。
全てのいきものたちは、そうやって気の遠くなるような時間の輪廻を生きているのだと思う。
比較的あたらしい登山道を歩いたときのこと。
道の両脇に、チェーンソーで切られた木々たちが整然と並んでいた。
わたしたち人が通る登山道をつくるために、木々の成長を止めてしまった。
それでもなお生き続ける。自然はなんて強い意志を持っているんだろう。
ごめんなさい、ありがとう。
錆付いた缶、ペットボトルの蓋やビニールも落ちていた。
数年、数十年、数百年かけても自然へとは還っていかない、人間がつくりだした物質。
何の魂ももたない物質は、土へ還らないばかりか、自然連鎖を破壊していく。
そして、目には見えない物質はもっと恐ろしい。
広範囲に広がり、徐々に徐々に遺伝子を蝕んでいく。もちろん人の遺伝子も。
もっと恐ろしいものは、遺伝子を組み換えてしまうこと。
「自分たちの食べるものや身につけるもの、暮らすところは、自分たちの手でつくる」
そんな社会に、そんな世界になればいいなと思う。
明日は選挙投票日。
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